ミステリー小説好きな筆者の一押し、作家・湊かなえさんの『母性』が面白いんです!
湊かなえさんといえば、読み終わった後に何となく気持ち悪い”イヤミス”でお馴染みの小説家。
私の『母性』を読んだネタバレ感想は、読んでる間もどこか気持ち悪い感じがしました。
そんな面白い『母性』が映像化されるということで、今回は作品の魅力を紹介したいと思います。
ほぼ湊かなえさんの作品を読破してる筆者が、小説を読んだ感想をネタバレ解説です!
湊かなえ原作の母性は気持ち悪い?
映画化も決まった『母性』の原作者は、”イヤミス”の異名を持つ『湊かなえ』さん。
”イヤミス”とは本を読み終わった後、”嫌(イヤ)な気分になるミステリー”という意味から名付けられたそうです。
そんな湊かなえさんの作品の中でも、『母性』はたっぷりと”イヤミス”を感じられる1冊。
本好きの私は湊かなえさんの作品をほぼ読破していますが、この『母性』は特に”イヤミス”を感じましたね。
読んでる間も胸がザワザワ気持ち悪いというか、最近よく耳にする毒親というワードがよぎった作品。
もしも自分の育ってきた環境が違ってたら、登場人物に共感や理解するのかな?と考えました。
筆者が読んで”イヤミス”を味わった、『母性』のあらすじを簡単に紹介します。
母性のあらすじ紹介
10月20日の午前6時頃、自宅の庭で女子高生が倒れてるところを母親が発見し警察に通報。
母親は娘を『愛能う(あたう)限り、大切に育ててきた』と、言葉を詰まらせる…。
警察署は事故なのか、それとも自殺なのか原因を詳しく調べることに。
そこから遡ること11年前の台風の日、満ち足りていた彼女達の幸せは奪いさられていたのだった。
母と娘の手記が交錯し、浮かび上がってくる真相は事故なのか?それとも…
物語は主に「母の手記」と「娘の回想」で語られ、それぞれの想いや受け止め方の違いが描かれています。
母娘のどちら側に共感できるか、読み手によって変わってくる作品ではないでしょうか。
そんな『母性』を書き上げた、作家の湊かなえさんのプロフィールがこちらです。
湊かなえのプロフィール
こちらが作家『湊かなえ』さんのプロフィールになります。
名前:湊 かなえ(みなと かなえ)
誕生年: 1973年1月(執筆時49歳)
出身地:広島県因島市(現在・尾道市)
最終学歴:武庫川女子大学 家政学部被服学科 卒業
デビュー作:聖職者(2007年)
受賞歴: 『小説推理新人賞 2007年』『本屋大賞 2009年』『日本推理作家協会賞短編部門 2012年』『山本周五郎賞 2016年』
湊かなえさんは小さい頃から空想と本が好きで、多くの作品に触れてこられたとか。
27歳で結婚して翌年には第1子を出産、なかなか2人目に恵まれず自宅で新しい事に挑戦しようと奮起。
どうせ挑戦するなら”形に残せる物”がいいと思い、創作活動を始められたそうです。
2005年に『第2回BS-i新人脚本賞』に佳作入選した後、目標を脚本や小説のコンクールでの優勝に。
『答えは、昼間の月』で、2007年に『第35回創作ラジオドラマ大賞』、その後『聖職者』で小説家デビュー。
ちなみにデビュー作の『聖職者』では、『第29回小説推理新人賞』を受賞されております。
その後も本屋大賞を受賞されたり、いくつもの作品が映像化される人気作家へとなられました。
主婦業と執筆活動を両立するパワフルママさんで、2016年には『ベストマザー賞』も受賞されてます。
また近年は大学時代に始めた登山も再開し、新たに趣味に費やす時間も増えたとか!
主婦業だけでも大変なのに、執筆活動や趣味も手を抜かないなんてエネルギッシュな方ですね。
そんな湊かなえさんは作品を手掛ける時、登場人物1人1人のキャラ設定をきちんと決めてから書くタイプ。
そうすれば登場人物それぞれの動きが見え、その中から必要な部分を選んで書き進められるとか。
最初にキャラ設定ができてるから、最後までブレることなく素晴らしい作品に仕上がってるんですね。
では湊かなえさんの作品好きな筆者が、『母性』を読んだ感想をご紹介しましょう。
ラストまで面白いのか小説の感想をネタバレ解説!
『母性』は読む人によって母親側の気持ちか、娘側が理解できるか分かれると思います。
私個人はあまり家庭環境に恵まれなかったからか、娘側の立場に共感しながら読みましたね。
読み進めると「これぞ、湊かなえの小説!」という感じで、見事な”イヤミス”を感じます。
物語は神父様にあてた母親の手記から始まり、母親自身が大切に育てられた娘という事が描かれてます。
夫との出会いや結婚から出産までの過程を、自身の母親との関係を絡めた内容の手記。
そこから分かる母親の人柄は、親から愛情いっぱいに育てられた”お嬢さん”という女性像です。
次に娘の回想が書かれているのですが、まるで母親の手記の答え合わせの様な話で物語は進んでいきます。
この「母親の手記」と「娘の回想」が交互に描かれることで、真実が見えてくるという面白い作品。
ネタバレな私の正直な感想は、親離れしないまま娘を産んで気付かぬまま”毒親”になってるでした。
自分の母親に褒めてもらうことが1番の幸せで、知らぬ間に娘にもその理想を押しつける。
もしも私がこの母親の娘だったら、反抗して不良になって暴れてますね(笑)
ではこの少しいびつな母娘が、物語のラストでどんな関係になってるのか感想を紹介!
筆者が読んだラストの感想
ラストでも物語の冒頭で倒れてた娘が、自殺か事故なのか双方の視点から描かれてます。
そして母親の手記と娘の回想にも、台風の日に起きた悲しい真実が明かされてました。
ここから完全なネタバレですが、母娘と祖母は一緒に台風が強まった夜を過ごしてたんです。
雨風が強まり停電が発生する中、祖母と娘が倒れたタンスの下敷きになります。
母親はロウソクに火を付けて、懸命に自身の母親(祖母)を助けようとしました。
さらにロウソクの火が倒れ、次第に家の中は火の手が広がって煙も充満。
危険を感じた祖母が「親なら子供を助けなさい!」と、諭しても母親はイヤと言って引きません。
そこで祖母は「あなたの愛を、あの子に”愛能う限り、大切に育ててあげて”」と、最後に告げて下を噛みきったんです。
自分の娘より親を助けたかった母親と、その母親から大切な人の命を奪った形で生き延びた娘。
この台風の日をきっかけに、母娘の関係はさらにバランスを崩していったといえるでしょう。
私の作品を読み終えた感想は、もしも娘の回想が妄想なら真実は謎のまま?
母親の手記が読んだ印象通りだったら、娘は本当に可哀想な毒親の犠牲者だった?です。
私の見解では、この作品は読み手によって真実が分かれても不思議じゃない!
是非とも「母性を読んでみたい!」と思った方は、こちらからどうぞ。
本当に読み応えのあるミステリー小説で、ラストまで面白い作品といえますよ。
まとめ
私の推し小説家・湊かなえさんの、気持ち悪いけど面白い作品『母性』の感想をネタバレ解説してきました。
『母性』を読んだ感想を一言で表すと、さすが湊かなえさんは”イヤミス”の異名を持つ小説家!
作中に出てくる人物の見る角度や考え、感じ方によって違いが生まれる面白い作品でした。
読み進むごとにタイトルの『母性』が、気持ち悪いほどのしかかってくる小説でははないでしょうか。
湊かなえさんの作品にまだ触れてない方が、今回のネタバレ解説で興味を持って頂けると嬉しいです。
>>母性(湊かなえ)映画のキャストの登場人物一覧紹介はこちら!
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